別れさせ屋について
別れさせ屋とは、夫婦やカップルを別れさせるように工作するもので、主に興信所か探偵事務所が扱っています。
別れさせ工作の依頼を受ける興信所・探偵事務所は一部に限定されますが、なかには専門的に扱っている業者もあります。
依頼で非常に多いのが、離婚事由はありませんが離婚を希望している夫婦です。
離婚には夫婦としての欠落事由が求められ、相手に落ち度がないと離婚を認められません。
また、理不尽な理由で強引に離婚すると、財産分与や親権で不利になることが多く、落ち度を突かれて慰謝料を請求されるケースがあります。
別れさせ屋は、別れたいけど別れる口実がない方からの依頼を受け、パートナーを別れる気持ちにさせる、もしくは相手に不貞行為をさせるなどの落ち度を作って別れさせる仕組みです。
通常の浮気調査よりも高額な料金が発生するほか、別れさせ屋に関連したトラブル・事件が多いので注意しましょう。
別れさせ行為の手法・パターン
別れさせ行為は、主に調査員を以下の方法でターゲットに接触させることから始まります。
- 勤務先の従業員として潜り込む
- ターゲットの仕事の客になる
- ナンパ
- 趣味に関連した出会いを装う
必要に応じて、具体的な行動を起こす前に素性調査をするケースもあります。
何らかの方法でターゲットと調査員が密接な関係になった後に、次の2つのパターンで別れさせるように誘導します。
- 調査員と肉体関係を結び、不貞行為・浮気をさせる
- 仲良くなってパートナーの悪口を言うなど別れる気持ちにさせる(洗脳する)
ハニートラップ等は違法
調査員が別れさせ行為を目的にターゲットと肉体関係を結ぶ行為は違法で、万一バレた場合は興信所が違法性を問われて賠償金を請求されることもあります。
違法性の問題から、興信所ではハニートラップ関連の別れさせ行為を行っていないケースが多いです。
また、恋人・不倫関係を目指す別れさせ行為は、主に芸能事務所所属(元所属を含む)など、美しい容姿と演技力に長けた調査員を使う必要があるため、高額な料金が発生します。
成功したとしても、裁判をするより費用が高額になるケースや、慰謝料の大半が報酬で消えてしまうことがあるので注意しましょう。
トラブル・事件が多い
別れさせ屋はトラブルや事件に発展するケースが多いです。
特に多いトラブルは、成果の出ない状況での高額請求になります。ガードが堅いパートナーは成功率が低いので注意しましょう。
興信所が扱う業務の中でも別れさせ行為は難易度が高く、一部では成功させる気がない悪徳業者もいます。
ナンパをしている姿を写真に収め、ナンパに失敗した後に接触を試みたけどダメだったと報告し、数百万円の高額な費用を請求することが悪徳業者の主な手口です。
違法性がある請求だったとしても、別れさせ屋への依頼をしたことを周囲に隠したい理由で、泣き寝入りする被害者が多いので注意してください。
別れさせ屋を有名にした事件
2009年に別れさせ工作を目的に、ターゲットへ妻子の悪口を言い、それに怒ったターゲットが調査員を殺害する事件が起こりました。
別れさせ屋の存在を有名にさせた事件で、殺人・傷害事件に発展する危険性を証明しました。
興信所はこうしたリスクを認識しているため、危険性を考慮した高額な報酬に設定しています。
この事件を受け、一般社団法人日本調査業協会は別れさせ行為に関する厳しい自主規制を行い、基本的には別れさせ工作を受件させない取り組みを強化しています。
おわりに
興信所の行う業務・依頼はシチュエーションに応じて効果的ですが、別れさせ屋(別れさせ工作)だけは理由を問わず利用しないことをおすすめします。
日本調査業協会も探偵業として認めないと発言している業務内容で、成功・失敗を問わず幅広いリスクがあります。
昨今は友達との縁を切りたいという理由で興信所へ依頼する事例もあり、市場のニーズ自体は高まっている分野ですが、別れる・縁切りは直接パートナーと話し合うべき問題です。