不倫調査にかかった費用が慰謝料で賄えないケースを紹介します。

不倫調査にかかる費用は慰謝料でまかなえる?

支払いしてもらえない慰謝料の束

 

慰謝料を請求する相手に対して、不倫調査にかかった費用を全額請求できる可能性は極めて低いです。
不倫調査にかかる費用と慰謝料の金額は状況によって大きく異なり、相手から回収できるかどうかはケースバイケースになります。

 

また、相手が慰謝料を支払う決定がなされたとしても、払ってくれないことや支払いが遅れることがあります。
不倫調査にかかる費用を確実に慰謝料でまかないたい場合は、事前に法律相談をしてください。

 

調査費用の請求について

 

慰謝料とは別に不倫調査にかかった費用(興信所の費用)を相手に請求できるかどうかは、興信所などの専門性の高いプロへ依頼しないと判明できなかったかがポイントです。
育児や単身赴任、仕事(休みが異なる夫婦共働き)などで自分自身で調査できない状況では、請求が認められやすくなります。

 

また、不倫(不貞行為)があったのかが裁判の論点になるかも重要で、自分での証拠確保が困難な状況でも請求が認められるとは限りません。
実情として、不倫調査にかかる費用を配偶者や不倫相手へ請求したとしても、認められない可能性の方が高いです。

 

 

 

裁判で調査費用の請求が認められた場合でも、全額ではなく一部(1~2割程度)になるケースが多いです。
ただし、請求すること自体にリスクはないので、証拠を掴むための費用がかかったのであれば、相手へ請求するとよいでしょう。

 

また、示談や和解で解決する場合は決まったルールがありません。
相手が罪悪感を持っていて支払い能力があるのであれば、慰謝料とは別に不倫調査にかかった費用を全額払ってもらえるケースがあります。

 

裁判を通じて請求する場合は、法律相談をして請求が認められる可能性を確認しておくとよいでしょう。

 

調査費用と慰謝料の相場

 

不倫調査にかかる費用は安い場合で3万円以下、難しいシーンだと短期的な調査でも100万円を超えます。
不貞行為をする日程を把握している状況での単日調査のみであれば、5~10万円が相場です。

 

日程が分からず行動調査から行う場合は、調査日数が増える分だけ費用も高額になっていきます。

 

 

 

 

慰謝料の相場は、夫婦関係を継続する場合は数十万円から100万円以下が相場で不倫した配偶者に対する請求は認められません。
不倫が理由で離婚に至った場合は100~300万円が相場になります。裁判で認められる慰謝料の請求額は相手の経済力が考慮され、相場を大きく上回る判決が出ることもあります。

 

なお、裁判ではなく和解で解決する場合は相場より大幅に高い金額を払ってもらうことも可能です。
裁判をすること自体を嫌がり、裁判の相場より高額な慰謝料の支払いに同意してくれる人もいます。

 

簡単にまとめると、少ない調査日数で証拠を確保すれば、慰謝料でまかなえる可能性が高いでしょう。
不倫した証拠を掴んだら離婚する意志が固まっている場合や、不倫した(元)配偶者と不倫相手の双方に慰謝料を請求する場合は、回収できる可能性がより高くなります。

 

ただし、裁判をする際の訴訟費用や弁護士費用を考慮すると、赤字になってしまうケースも珍しくありません。

 

 

 

このほか、不倫した証拠で離婚が認められれば財産分与によって相応のリターンを見込まれる方が、お金に糸目をつけずに不倫調査を行うケースがあります。
調査費用や慰謝料を含めた回収額が気になる方は、興信所と法律事務所の双方に事前相談してください。

 

慰謝料を回収できないことも

慰謝料を督促する書状

 

裁判で慰謝料を払う判決を勝ち取っても、相手が慰謝料を払ってくれないことがあります。
この場合は相手の財産を差し押さえて回収する方法がありますが、相応の費用が必要です。

 

相手の勤務先が分かっている場合は未払いが起こる可能性が低く、勤務先情報が分からなくてもフルタイム勤務で職場の社会保険に加入していれば、弁護士会の照会制度を通じて日本年金機構へ問い合わせをすることで簡単に勤務先を突き止められます。

 

社会保険未加入の場合は興信所を使って相手の勤務先を調査することも可能ですが、相手が退職すれば振り出しに戻ります。
預金口座を差し押さえる方法もありますが、裁判によって慰謝料を支払う判決が出ている状況では、高確率で資産隠しをされていることでしょう。

 

不動産の差し押さえは費用が高額で、慰謝料の不払いを理由に手続きを行う方は少ないです。
公務員や大企業勤務など、転職する可能性が低い方は慰謝料を回収できないトラブルへ発展しにくいです。

 

未払いのリスクを避けるためにも、慰謝料は分割ではなく一括で払ってもらう方法が主流になっています。
不安がある方は慰謝料を回収できない可能性についても、事前に弁護士へ法律相談しておくとよいでしょう。